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「コンヴィチュニー オペラ・アカデミーinびわ湖」に参加中!

聴講生として参加している、コンヴィチュニー オペラ・アカデミー。今までの講義の中で、心に残った発言の数々の中から書きたいと思います。演出の内容の説明のような部分、ご本人の思想など色々ですが、素人ですのでご容赦頂ければと思います。尚、オペラ演出についてご専門の、森岡実穂氏によるtogetterのまとめはこちらです。

《椿姫》は、センチメンタルでお涙頂戴のラブストーリーではない。実は、とてもハードな物語である。それは、一人の人間の物語である。
ヴィオレッタは、自分の命が短いことを知っている。そして、「愛」が死を先延ばししてくれるのではないかと期待している。しかしそれは、上手くは行かない。
この物語は、2次的にしか、ラブストーリーではない。ところが、一般には、単なるラブストーリーとしかみなしていない「馬鹿げた」演出だらけである。

このオペラの登場人物の中に、本当の意味での「人間」は何人いるか?実は、ヴィオレッタだけが―娼婦であるヴィオレッタだけが、唯一の人間なのである。物語の中では、金を持っていない人間ほど(例えば、ジュゼッペ)、人間らしくないとされている。

では、アルフレードはどうか。彼は、人間として、大変幼い。そして、ヴィオレッタを所有するということが何を意味するのか、全く理解していない。
2人は3ヶ月もの間、一緒に暮らしていたのに、ヴィオレッタはアルフレードの妹の存在を知らないし、アルフレードは、ヴィオレッタが金策に奔走していることを知らない。これは、何故なのか。
2人の持つ愛の「種類」は、全く別物なのである。

人が歌っている内容を理解せずに舞台にのっている人がいる。それでは、演技がつながらない。(たしなめる意味での発言か?)

自然に持っていたイメージを取り払う作業をしなければならない。(今まで見たオペラのイメージが、頭に刷り込まれている場合がある、ということだろう)

私の演出は、ディティールが非常に細かいと言われる。小さい部分を丁寧に積み重ねることで、共感できる作品を作り上げる。ディテールを細かく設定しておかないと、何も見えてこない。

ヴェルディは、「リゴレット」を作曲した際、時代設定を古くしなければならなかった。しかし、「椿姫」では、(彼が生きた)「現代」にこだわった。2014年の今、「椿姫」を上演するとき、「作品に忠実に」というのは、どういうことか?

作品に忠実に

度々現れる「キーワード」

相手の行動に合わせて動くことで、舞台に緊張感が生まれる。

悲劇の中の「コミカルな要素」が、大変重要である。

歌の先生の中には、「お客さまに向かって歌いなさい」と教える先生も多くいるでしょう。しかし、ヴェルディがどのようなオペラ上演を想定して曲を書いたのか、皆さん想像してみて下さい。ヴィオレッタに向かって歌うべき歌を、お客に向かって歌ってしまったら、このシーンの全てが死んでしまう!

再演が好き。歌う人たちが、それぞれに違う個性を持っているから。
解釈に色々な可能性がある。それが、音楽の素晴らしいところ。

当時のコロラトゥーラは、歌手の技巧をひけらかすためのものだった。ヴェルディのコロラトゥーラは、音楽的にはるかに発展させたもの。

全宇宙で最も素晴らしいものは愛

(同様のご発言は、サロメ上演の際にも語られています)

ヴェルディもワーグナーも、二極化して描いた。「金・所有・権力」⇔「愛」のどちらか。
我々(人類)にとって、最も大切なことを、作品が発している。
ヴェルディは、非常に政治的な意識の持ち主だった(その意識が、音楽にも顕著に現れているということか)。

残念ながら、今日、音楽の本質とは関係のない、ただ効果を狙っただけの演出がはびこっている。

全ての音を完璧に歌うためにあると思うのは、お目出度い考えだ。

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